桐谷ハウジングの企画部の女の子たちの間で、ちょっとした話題が持ち上がっていた。


「四階の応接室に、幽霊がいる」


先日、企画部事務の滝川清香が、会議室の準備のため四階へ向かった。
お茶の支度もあって、ポットや湯のみを乗せたワゴンを一度応接室に置こうと、応接室の扉を開けようとした。
「……」
どうやら内側からカギがかかっているらしく、開かない。
扉にはめ込まれた細長い磨りガラスから、室内は暗いことがわかる。

すると。
「…あっ、……ぁん…」
と、妙に色っぽい声が聞こえたので、驚いてその場から逃げたらしい。

その後、もう一度男性社員を連れて応接室に戻ったが、扉はすんなりと開き、室内は暗く誰もいなかったという。