瓦礫の剣士
三本目
土曜日、顧問がいない中俺たちは合同練習をすることになった。練習場所はうちの高校の道場。

白鴎高校・剣道部は全国大会連続出場校として有名だ。部員数もうちの学校とは比べ物にならない。百人近くいる部員たちは、試合に出場するために熾烈な戦いを繰り広げているらしい。

「今回は五人来るってさ。しかもレギュラー常連!」

道着に着替えながら尚が俺に言う。

「ええ〜!そんなの無理っすよ!絶対ボコボコにされて終わりっす!」

英二が頭を抱え、「帰りたい……」と呟く。たしかに、白鴎高校と対等に戦えるほどの実力はうちにはない。しかもレギュラーとなると実力者だ。

「まあ頑張ろう。白鴎高校のデータを取って練習を積み重ねていけばいい」

俺は英二に笑いかけ、部室を出た。今日も気温が高い。汗が噴き出してくる。

「剣、体調は大丈夫か?」

防具を置き、竹刀がささくれていないかチェックしていると青羽先輩が話しかけてきた。

「全然大丈夫です!」
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