間宮さんのニセ花嫁【完】
結婚へのステップ1

間宮さん、結婚しましょう




結婚、社会的に承認された男女が夫婦になること。
女性なら誰しもが羨む人生の大イベント。

私も例に漏れず、子供の頃から結婚を夢見る乙女だった。

というのも私の母は昔、お金持ちのお嬢様だった。選りすぐりのお嬢様学校に通い、幼い頃から婚約者もいたと言う。
しかし母は社会人になり、父と出会って恋に落ちた。父は所謂庶民だったので母の家族には二人の恋愛をよく思わなかったらしい。

それでも二人は周りの反対を押し切って結婚した。駆け落ちも同然の結婚だったという。
二人とも互いと一緒になったことを後悔していなかった。それは相手のことを、心の底から愛していたから。

そんな二人の話を私は子供の頃から飽きるくらい母に聞かされていた。


「だから飛鳥もいつか素敵な人と出会ってね」


私といつか出会えるだろうか、母にとっての父のような存在に。父にとって母のような存在に。
周りに反対されても、それでも一緒になりたいと思えるほどに愛する人を。

きっといつか、そんな人と結婚することができたら……

そんなことを夢に見て26年、人生というものはそんなに甘くないと言うことを知る。

私を幸せにしてくれるはずの王子様は私の夢を直前にして颯爽と走り去ってしまった。


【完】


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