冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました
第四章
外出から部屋に戻り、食事の前に安西部長からダメだしをされた書類をなんとか修正し終わると、やっと夕食の時間がやってきた。

目の前には鍋仕立ての尾頭付き金目鯛、新鮮な刺身の盛り合わせに揚げたての天ぷらなどがテーブルいっぱい所狭しと並び、どれをとっても美味しそうで私は目をキラキラと輝かせた。

「すごい豪華ですね! 見た目も創作感があってSNS映えしそうです」

手をつける前にスマホで写真を何枚か撮る。なんだか食べるのがもったいないくらいだ。

「とりあえず、色々あったけど視察一日目は無事に終わったな、お疲れ」

「お疲れ様でした」

ビールを注いだグラスをカチンと合わせて喉を潤す。

はぁ、幸せ……。視察も最初はどうなることかと思ったけど、来てよかったな。

食事が終わったら今日一日集めた写真をパソコンに取り込んで資料作りしなきゃ、そうと決まったらまずは美味しいものをいっぱい食べて、体力つけないとね! 

それに自分の仕事が早く終われば安西部長の仕事もなにか手伝えるかもしれないし。

そんなふうに思いながら食事をどんどん口に運んでいると、安西部長の視線を感じて目が合う。

「どうしたんですか?」

「いや、いい食べっぷりでよく食うなーと思って見てた」
< 55 / 170 >

この作品をシェア

pagetop