冷徹部長の溺愛の餌食になりました
◆だけど ときには




『……じゃあ、付き合うか』



久我さんのその言葉に驚きながらも頷いた日から三日後の、月曜日の朝。

今日も窓の外は青い空が広がっていて、気持ちのよい快晴だ。



そんな晴れ空からオフィスの中へ目を向けると、小さな部屋の壁際中央に置かれたデスクでは今日も彼がパソコンに向かい仕事に励んでいる。

その姿を少し離れたデスクから見る私は、仕事をする手をすっかり止めて見とれてしまっていた。



はぁ……久我さん、今日もかっこいい。

無造作な黒髪、冷静な瞳、口元をきゅっと締めた愛想のない表情をした久我さんは、かかってきた電話をとると「ええ、はい」と低い声で相づちをうつ。

そんななにげない仕草にすらほれぼれとしてしまう。



彼へ目が向いてしまうのはいつものことだ。

けれど、今日はいつも以上に気になってしまう。



なぜなら、彼が『上司』ではなく『彼氏』になったから。



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