Neon

アルバイト



よく見ると、その人が着ている高そうなスーツには私のオレンジジュースが滴っている




「わっ!ご、ごめんなさい!」

『これ、どうしてくれんの?』

「ほ、ほんとにごめんなさい汗
クリーニング代はお返ししますから…」

『あれ…?もしかして…』

「な、何か言いました?」

『あぁ、いや、そうだなぁ………………



















クリーニング代、30万』











………………………………………………へ?














「はぁ?!」








さ、ささささ30万?!?!





『今払ってくれるよね?』
「え、いや…ローンで…(?)」
『これ、明日も使いたいんだけど?』





「そう言われましても…」


財布には3万しか入ってない
お金を下ろしに行っても30万なんて無理だ











どうしよう…泣
なんで今日こんなについてないの!!



「あの…30万円を今払うことはできません…」
『あっそ、なら……












ふわっと体が浮いて…

気づいたから彼の顔が目の前に












「なっ!なにするんですか?!」
『なにって?お姫様抱っこだけど?』
「降ろしてください〜!!」





バタバタ暴れてみたけどびくともしない
しかもふと見上げると…






「え…もしかして、バンドの…?」






近くで見たらわかった
つい先程まで、美亜と行ったライブでドラムをやっていた人だ












『お前、それでかい声で言ったら殺す』
「ひぃ……!」



ふっと笑われて怖くて思わず口を閉じると彼はが歩き出す

「ちょっと!だから降ろしてくださいっ!」
『うるせぇな』
一言だけいうとずんずん進んでいってしまう

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