同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
中座する時に、担任と養護教諭に一緒に付いてくれていた子は席に戻る様に促されて、私だけ養護教諭に伴われて保健室へと向かった。

「熱はなさそうだけど、今日は体育館、特に冷えるからここでゆっくり休んでいなさいね。
ここに桶を置いておくから吐きそうだったら使って。
経口補水液も一緒に置いておくから、もし吐いたらこれをゆっくり飲みなさいね?
先生、体育館に戻るから。
誰も来ないだろうから、ゆっくり休みなさい」

ベッドに寝かされて、養護教諭の畑山(はたけやま)先生は私にそう言うと、慌ただしく保健室を後にして体育館に戻って行った。

今日の卒業式も、三月なのに季節外れの雪が降っていた。

あの日の様な吹雪ではなく、粉雪が舞う程度だけど、やはり雪を見るとあの日の事を思い出してしまい、気分が悪くなってしまう。

すっかり雪がトラウマになってしまった様だ。

私は先生に甘えて保健室のベッドの中で仮眠をとる事にした。

目を閉じて、布団を被る。
保健室特有の消毒液と季節的にインフルエンザの予防だろうか、自宅にも置いているウイルス除去剤の匂いがする。

先生の席近くに置いてあったファンヒーターが、私の横たわるベッド近くに移動させてくれていたらしく、温風がカーテンに当たって揺れている。

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