起たたない御曹司君の恋人は魔女
2 役起たずから卒業


「な、なに? だれ? 」


 真っ暗になり驚くリラを、そのまま引っ張って誰かがエレベーターに乗せた。



 驚いて何かを言いたげなリラの口を、大きくてちょっと優しい手が覆った。




 驚いたままリラが連れて来られたのは、最上階7階の一番広い部屋。

 
 
 部屋に入るとグイッと誰かに抱きかかえられ、そのままベッドに連れて行かれたリラ。


「だ・・・誰? 」

 目隠しがゆっくりと外された。


 ん? とリラが見ると目の前にいたのは・・・


 結沙だった。


「な、なに? 」

 リラは驚いて目を見開いた。



「良かった。部長は、女癖が悪くて有なんだ。あの優しさ、信じちゃダメだよ」

 
 ベッドの端に腰かけて、結沙がリラを見てそっと微笑んでくれた。


「何のつもり? こんなところに、連れてきて」

「ごめん。外に逃げてもよかったけど、部長に見つかっちゃうから。しばらくここで、隠れていればあきらめて帰るでしょう? 」

「はぁ? ・・・なんなの? ・・・」


 リラは深いため息をついた。


「ねぇ、麻中田さん」

 なに? と、リラは結沙を見た。

「麻中田さんって、地元の人じゃないよね? 」

「どうして、そんな事聞くの? 」

「いや。部長が駅前のイタリアンの話しをした時。知らないようだったから」

「別に・・・どうでもいいでしょう? そんな事」


 
 起き上がったリラが、フイッと髪に触れた。

 その仕草を見た結沙は

「あ・・・」


 また股間に反応を感じた。


 結沙はじっとリラを見つめた。


「ん? なに? 」

 結沙の視線の気づいて、リラはん? と見た。



「あ・・・あのさ・・・」


 リラと目と目が合うと、結沙はドキッと胸が大きく高鳴った。

 すると、また股間が反応したのを感じた。


「なんなの? ・・・もしかして、やりたくなった? 」


 ちょっとニヤッと笑ったリラ。

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