2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
『ああ、ありがとう、頂くよ。悪いな、明日から仕事なのに』


『柊は毎日仕事だろ。大丈夫か、体。気をつけろよ。お前、俺とは違って無理するタイプだからな』


ペットボトルのフタを開けて、お茶を1口飲んでから僕は答えた。


『無理はしてないよ。僕は…たぶん仕事が好きなんだろうね。苦にならないって言うか…お金もいくらあっても困らないしね』


『そんなにお金って必要か?』


『お金は大事だろ?好きな女性がいても、お金が無ければ、結局、幸せには出来ない』


『それが柊の考え方なら、まあ、それもいい。柊…柚葉って、本当にお前のフィアンセとしてふさわしいのか?』


『樹は、柚葉が嫌いなの?』


『…別に…ただ…柊には幸せになってもらいたいからさ』


樹の、その何気ない言葉が、僕に深く響いた。


同じだよ、僕だって、樹には絶対に幸せになってもらいたいと心から思ってる。
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