君の子守唄

出逢い

「よぅ!
洋介は、裏??」

2年ぶりのbarのドアを開けると

マスターを任せている後輩が、裏のドアを示した。

ここは

探偵をしていた時、使っていた

俺と兄貴と洋介の秘密基地だ。

店を任せた今も

この部屋の鍵は、3人しか持っていない。

…………………とは言っても。

この2年、この部屋は一度も開けられてこなかった。

何故なら、俺達3人は………

長男と親父が作った会社で、探偵の真似事をしていたからだ。

裏で不正が無いか調べるのが、俺達の仕事だ。

そんな俺達が、二人でコッソリこの部屋に来たのは…………

洋介のプライベートの相談を聞く為だ。

会社とは関係無いが………

もう直ぐ家庭もちの洋介が

どうしてもコッソリ相談したいと言ってきたのだ。

……………………もしかして

浮気の末の隠し子?

一番身近で起こった秘密だけに…………

一番に想像出来た。

「何をやらかした??
彩ちゃんを泣かせる相談なら、のれないぞ。」

洋介の婚約者の彩ちゃんは、咲の幼稚園の先輩先生だ。

「アホ!!
俺が彩ちゃんを泣かせる訳無いだろう!!」

彩ちゃん命の洋介だから……………

まぁ、それは無いか。

だったら…………………。
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