星と星を結んで君を描く
俺は、信じられなくなって席から立ち上がった。一夜は、それを分かっていたのか驚かない。

「何で……何で……?」

一夜は、明日には、ブラジルへ行ってしまうらしい。

「……ごめんね。実は、もう何週間も前から決まってたんだ……楽しかったよ。煌雅との天体観測。おかげで嫌いで苦手だった理科を好きになれた。ありがとう」

そう言って一夜は、笑う。俺の目の前がぼやけ始めた。

「……一夜のバカっ!!決まってたなら、何で俺に言わなかったの!?そうしたら、今日、一夜を笑顔で送り出せたかもしれないのにっ!!俺は、何も信じたくない……嫌だ、嫌だよ……っ!!」

俺がそう叫ぶと、一夜やクラスメイトは黙り込む。俺の頬に、涙が伝った。一度涙が溢れだしたら、止まらない。

「……う、うぅ……わあぁっ!!」

俺は、教室にいるのにも関わらず一夜に抱きついて声を上げて泣き崩れる。こうやって泣いたのは、何年ぶりだろう。あの時、一夜は嫌な顔をせずに側にいてくれた。

「……ごめん。ごめんね……?」

一夜の優しい声が耳に届く。そんな優しい声を俺にかけないで……。

「……っ」

俺は、ただ泣くことしか出来ない。本当は、笑ってお別れを言いたい。だけど、涙は止まることはなかった。
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