完璧美女の欠けてるパーツ
ヤリます


ちょうど梨乃は職場の女子3人でランチに向かうところだった。
行列のできるパンケーキ屋さんも、そろそろ落ち着いた頃じゃないかということで、みんなでパンケーキを食べる予定でエレベーターを待っていた。

低く響くいい声で名前を呼ばれ、梨乃は振り返る。
そこには上質なスーツを着た背の高い男性が立っていた。
身体にフィットした少し光沢のあるスーツはオーダーメイドだろう。磨かれた靴と共に堂々と梨乃に近寄ってきた。気付けばランチ仲間の女子達は「きゃー」と小さく高い声を出し、蜘蛛の子を散らすようにどこかに行ってしまい、エレベーター前で梨乃と男性は探り合うように互いの顔を見る。

「森田梨乃さんですよね」

「はい」
名前を呼ばれて素直に返事をする。

「急に声をかけてすいません。僕は35階で仕事をしている弁護士の高崎健人(たかさきけんと)といいます」
梨乃が返事をしてくれて安心したように、高崎健人は笑顔を見せた。

高崎健人
梨乃は頭の中で大志からもらったファイルを高速で開く。

いた。たしかにいた。
隠し撮りには失敗したけど、☆5つで彼の名前はあった。
法律事務所の凄腕エース。顔よし賢し高収入。ハイスペックな33歳。
マリンスポーツとゴルフが趣味で、空手も師範代とか。

「どうやって声をかけようか、ずっと迷ってました」

「はい」

「どうでしょう?急にこんな話で驚くと思うけど、お昼を一緒にしながら話を聞いてもらえませんか?上のホテルの和食レストランを勝手に予約してます」

そんな事を急に言われて
梨乃はランチ仲間を目で捜して助けを求めるけど、捜した先の女子達は眼力強く『YESと言え!』と、首を縦に振り梨乃に合図を送っている。

どうしよう。


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