甘味好き御曹司とお見合い結婚!?

翌日、職場につくと私は買い出しに出かけてオープンまでに五種類ほどのデザートを作っていく。
今日はシフォンケーキが三種類、ティラミスにプディング、ミルクレープにした。
ミルクレープは今回クリームをチョコ生クリームにして作った。
高峰さんの好みを反映したものの一つだ。

ランチタイムが始まると、私は早めに休憩をとり直ぐにディナー用のデザート作りに取り掛かる。
ディナー用のデザートは、ランチとは違い少しサッパリした感じのものを用意するようにしている。
ディナー用には少し早めながらいいブドウが手に入ったのでブドウのタルトをカスタードクリームを甘さ控えめにして作る。
ランチでは軽めに作っているティラミスは夜用には濃厚な濃さを出して作る。
お酒とも合うようにと考えた味付けで、前任者のレシピを引き継いでいるティラミスだ。
そしてランチとは違う味のシフォンケーキを焼いた。
コーヒーとキャラメルを混ぜたマーブルなシフォンケーキだ。これもディナーに向けた大人向けの物になる。
そして、夜の部用に高峰さんに特別に用意したのはフォンダンショコラだった。
小さなココットにたった一つの特別なケーキ。中には溶けるチョコとそれに合うベリーソースを閉じ込めた、私も好きなチョコレートケーキだ。

ディナー用の準備が整う頃にはまた、ディナータイムが始まる頃で、私は一旦休憩する。
休憩から戻ると私は明日のランチ用に事前準備に入る。
タルトの生地を焼いておいたり、明日用にパイ生地を作ったりしていると来店を告げるドアベルが鳴る。

「いらっしゃいませ!」

お客さんに理紗さんが声をかけていて、フッと顔を上げればそこには高峰さんと昨日の写真に映っていた前にも見かけたことのあるスラッとした美女と、高峰さんほどではないが、そこそこ整った顔の男性の三人で来店していた。
普段、高峰さんは一人かお兄さんとの来店である。
その珍しさからか、最近は高峰さんが来店すると直ぐに理紗さんや真帆さんが声をかけに来てくれるのだけれど、今日は戸惑ったらしく私に声はかからない。
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