幼なじみの不器用な愛情
第四章~離れていく距離~
「華ちゃん、復帰おめでとう!そして誕生日遅くなっちゃったけどおめでとう!」
華は体調が回復してからバイトにも復帰した。
バイト先では華の復帰を待ち望んでいたスタッフや店長が閉店後の店内でお祝いをした。
「これ、店長お手製のケーキ」
華の前にはホールケーキが運ばれてくる。
「すごい!」
華の無邪気に喜ぶ姿に隆弘も思わず頬が緩んだ。

医務室から二人で一緒に帰宅してからまた隆弘と華は必要以上には話をしない日が続いていた。
大学4年生になると授業ももうほとんどない。

隆弘は教員免許の試験勉強で忙しかった。

華はバイトも休んでいたため接点がほとんどない。

隆弘は勉強をしながら自分の部屋から華の家に明かりがついているかを確認するのが日課になった。
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