たとえ君が・・・

番外編～不機嫌な多香子～

最近、多香子の機嫌が悪い。

渉はそんなことを感じながら、今日も一緒に外来を担当していた。

「瀬戸さん、ガーゼもらえる？」

渉の言葉に多香子が無言で渉の目の前にガーゼを出す。

「？」
渉は多香子の方を見ると多香子はすでに渉に背中を向けて別の作業に入っていた。

『バタン』挙句には目の前にカルテを乱暴に置く多香子。

でも渉はそんな多香子を見ながら微笑んでいる。

実はこの多香子の不機嫌の理由を知っている渉は悪い気はしていない。