シンデレラには····程遠い

···バカが


ザワつく場内に
入口に目をやると

快斗だ。
潤もいる

チッ、鈴香

あいつが、やったんだな

俺は、素知らぬ顔で
次々に、挨拶を済ませ

鈴香の元へ

「潤、ショール。」
「はい。」
潤が、鈴香のショールを
取りに行っている間に
「何を考えている?」
「えっ?」
鈴香は、自分に言われたと
思っているようだが
「違う。快斗、鈴香を巻き込むな
次、こんな事をしたら叩きだす。」
と、言うと
両手を上げて
「わかった。わかった。ごめん。
だけど、綺麗だろ?鈴香ちゃん。」
と、言う快斗さんに
「鈴香、帰るぞ。」
と、告げ
鈴香の腰に手を回して外にでる。

潤が、鈴香のショールを持って
立っていたので
それを受け取り
「挨拶は、終わらせた。帰る。」
と、伝えると
「お疲れ様でございました。」
と、潤さんは頭を下げた。

絢斗さんから肩にショールを
かけられて
「ごめんなさい。」
と、言うと
「お前は、悪くない
快斗が、俺の仕事ぶりがみたいだろう
とか、言ったんだろう。」
と、言われて
なぜ?と、思っていると
「あいつは、俺を試したり
遊んだりすることがある。
悪かったな、巻き込んで。」
と、困った顔をする絢斗さんに
鈴香は、首を横にふり
「勝手な事してごめんなさい。
お仕事の邪魔をして。
私は、一人で帰れますから
絢斗さんは、パーティーに
戻ってください。」
「さっきも言ったが
鈴香は、なにも悪くない。
挨拶は終わらせた。
鈴香と一緒に帰る。」
と、言うときには
エレベーターは地下に付き
絢斗さんの車に乗せられる。

来なければ、良かったと
何度も後悔をしていた。

すると、
「鈴香、ありがとう。」
と、言う絢斗さん。
なぜ?と思い絢斗さんを見ると
「沢山の人がいるのは苦手なのに
俺を知りたいと思って
来てくれたんだろう?」
と、頬を撫でながら言う絢斗さんに
首を横にふるのが精一杯····

「それに、言ってなかったが。
とても綺麗だ。背中も美しいが
誰にも見せたくない。」
と、言うと
唇にキスをされた

啄むように何度も····何度も····

「帰るか。」
と、言うと
車は、滑るように動き出した。
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