シンデレラには····程遠い
卒業

大学の卒業を迎えた
式典には、両親と絢斗さんが
きてくれた。

絢斗さんには、忙しいのだから
と、言ったのに。
潤さんときてくれて····
当然、校内は大騒ぎ·····

だから····と、思うが
「鈴香。」
と、絢斗さんに呼ばれただけで
愛しさが込み上げる
「卒業おめでとう。」
「ありがとうございます。
絢斗さん、潤さん、忙しいのに
すみません。」
と、言うと
「鈴香ちゃん、卒業おめでとう。」
と、潤さんからも言われた。

両親は、絢斗さんとは違う
イケメンの潤さんに
驚いていたが
潤さんから、自身の紹介を
受けて、改めて挨拶を返していた。

そこへ
「置いて行かないでよ。」
と、快斗さん
チッと、絢斗さん。
「鈴香ちゃん、卒業おめでとう。」
と、言って貰えて
「ありがとうございます。」
と、答えると
「お父様、お母様で
いらっしゃいますか?
私は、絢斗の弟、快斗と申します。
弁護士をやっております。」
と、頭を下げるから
またまた、両親はびっくりしながら
挨拶をしていた。

回りは、ざわつくし
私達は、早々に大学を後にした。

式典前に教授から
両親には、フランスの話があり
父親から、三年の枠をもうけて欲しい
との依頼に教授は
理解を示してくれた。

私は、絢斗さんが言って期限と
同じで驚いていると
「一年目は、なれる期間
二年目は、力を試す期間
三年目は、見極める期間」
と、言う父。

「その後の事は
また、自分で決めなさい。」
と、言った。

明後日には、フランスに発つ
両親は、見送りにきてくれる。

絢斗さんが一緒に行く事は
知らせてあるから
心配してないようだが·····

今夜は、両親と絢斗さんと
四人で食事をする。

快斗さんも行きたいと
言ったが、絢斗さんから
ダメだと言われた。

食事の後は、風花の店に行く。
ここも絢斗さんがオーナーだと
言うと、両親は驚いていた。

風花も久しぶりに会う
両親に喜んでいて
両親も風花のピアノに
酔いしれていた。
風花からは、お祝いのプレゼントを
もらって、
「フランスからも連絡するんだよ。」
と、言って抱き締めあって
「オーナー、きっちり、
    守ってくださいね。」
と、言うと
「ああ、問題ない。」
と、答えると絢斗さん。

フランスと日本で
そんなわけないのはわかっていても
絢斗さんが言うと
出来るように思えるから不思議だ。

両親を車まで見送り
絢斗さんのマンションへと
帰った。
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