一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
episode1
「柏木さん、お忙しいところすみませんっ!今から堺商事に伺う予定なのですが、、。」
「あぁ、それなら、、そこの社長は甘い物がお好きだから手土産は甘味堂がいいと思う。特にどら焼きには目が無いって。」
「いつもすみませんっ!ありがとうございます。ではどら焼きを買ってから行ってきます!!」
「うん、行ってらっしゃい。森田君、頑張ってね!」
「はい!!今日こそいいお返事を貰えるように頑張ります!!!」
そう言うと営業2年目の森田くんは爽やかに部署を出て行った。
「、、相変わらずの脅威の記憶力。紗江は配属される部署間違えたね〜。秘書課とかなら絶対に社長付きだよ。なんせ隣の花形部署の営業課からワザワザ庶務課まで紗江の助言もらいに来るぐらいだもんね〜〜。しかもあの子、なかなかのイケメンだよーー?いいなぁ〜紗江は。」
隣の席から森田くんが出て行った方をうっとりと眺めながら声を掛けてくる真由ちゃんに苦笑いを浮かべる。
「真由ちゃんってば何言ってるの。素敵な彼氏がいるのに、、、。そんな事言ってると怒られちゃうよ?」
「それとこれとはまた別だよ〜。目の保養って大事でしょ?」
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