2度目の初恋

全てがわかるとき

2学期が始まった。


まだ暑い。


半袖シャツを着て公平くんと一緒に登校する。


2学期になっても公平くんの人気はそのまま。


視線が気になるけど、公平くんの隣を歩いて教室についた。


1限からテストなのに


「美羽ちゃん、公平くんと付き合ってるの!?」


「え、山田と!?」


夏休み、学校に来てない子たちはまだ知らないのか…


そんなにわたしと公平くん、釣り合わないかな…


噂が広まるの早すぎるし、出来れば、あまり広めないでほしいくらい…


「そうだよ、付き合ってるよ」


嘘つくわけにはいかない。



そしたら、周りの女子たちが


「よかったね!」


って言ってるけど、目は喜んでない。


対抗心剥き出しなのわかる。


でも、今日から2日間テストだから集中しなきゃ。


公平くんに勝ちたい。


そうして、2日間のテストが終わった。


難しすぎた……てか、相沢先生が作った数IIのテストちんぷんかん……



赤点取ったかもしれない…


もし赤点取ったら、その場でぶっ倒れそう…


そう考えたらくらくらしてきた……


頭を抱えてたら、相沢先生が


「テストお疲れ、明日から体育祭の準備が始まるからな〜」


そーいえば、9月末に体育祭があるんだった。


わたしのクラス2-3は紅組となった。


体育祭は学校行事で1番盛り上がる行事で、1年から3年までの各クラスが抽選によって分けられる。


2-3は、1-4と3-6と一緒になった。


2年から体育委員を2名出さなくてはいけないらしく、


それも抽選で公平くんと友梨ちゃんが選ばれた。


友梨ちゃんって公平くんのこと狙ってる子だよね…


なんか不安だけど、公平くんを信じるしかない。


わたしは、玉入れと4✖︎100mリレーに出ることになった。


一方の公平くんは、騎馬戦と障害物競走と借り物競走と4✖︎100mリレーに出る。



公平くんはめっちゃ嫌がってたけど、友梨ちゃんが無理矢理エントリーしたらしい。



まぁ、わたしはたくさん公平くんが活躍しているところが見れるから嬉しい///


体育祭当日。


わたしは日焼け止めをたくさん塗って赤いはちまきをして、グラウンドに向かった。



最初から応援合戦。


結構振り難しいんだよな…


ていうのも3-6のダンス部の先輩が振り付けたらしく


複雑だし移動も多い。


でも、間違えたら点数がもらえないから必死に玲那と頑張って覚えた。



7分間の応援合戦は無事に終わった。


他の組から


「おぉ〜すげぇ〜」とか聞こえて先輩たちが


「俺ら勝ったかもな」


とか自信ありげに言ってるのが聞こえた。



でも、応援賞は応援合戦だけじゃなくて競技中の応援も点数に入るからまだまだこれから!!



借り物競走の時。


公平くんが見せてきた紙には



「バレーボール部の子」


と書かれていた。


わたしが当てはまるけど、同じ部の友梨ちゃんが



「私!公平くん私いるよ!」



あからさまにアピールしている。


他の子もアピールしている。


「美羽、一緒に行こ」


公平くんはわたしの手を引っ張った。


そして手を繋いで1位でゴールした。


「公平くん、わたしでよかったの?」


「なに言ってんだよ、彼女だぞ?他の女子なんか興味ねえ」


「よかった…」


思わず笑みがこぼれる。


「てか、美羽も他の男子にその笑顔見せんなよ」


「え?」


「応援合戦の時、斎藤とめっちゃ笑いながら踊ってたじゃねーか」


「あ、いや……それはペアを組んでたまたま隣が航(わたる)くんだっただけで真顔で踊るなんておかしいでしょ?」



「でも、嫉妬してしまったんだ…ごめんな……」


あっという間に午前中の競技が終わって、中間発表行われた。


競技の点数は紅組が1番高かった。


そのほかにもマスコット賞と看板賞とポスター賞がある。


それは最後に発表されるからまだ分かんない。


お昼は2-3の女子全員と食べた。


「この先輩がかっこいい!」


とか自分の彼氏の話をしたり


やっぱり体育祭だと好きな人を目で追ってしまうよね……


わたしも公平くんのこと目で追ってた…


友梨ちゃんも公平くんのことを目で追ってたと思うけど…あまり気にしないようにしよう


昼ごはんが終わり



また、日焼け止めを塗って午後の競技が始まった。


午後の競技は午前中よりも盛り上がっている。


先輩たちに負けずわたしも声を出し続ける。


でも日差しは強くて


皮膚が痛くなってきたし、声も枯れてきた。


でも、あとリレーだけ。


リレーが1番点数が高いからこれで1位とれば総合優勝間違いなし。


軽くストレッチをした後、まず女子のリレーが始まった。



わたしは第3走者。



今紅組は4位だ。


バトンパスが失敗してしまった。


わたしは前の3組を追い抜かすつもりでバトンをもらって思いっきり走った。


走ってる途中



「美羽!ファイト!」


「美羽ちゃん!」 「美羽先輩!」


その中でも



「美羽!頑張れ!!」


トラックの中にいる公平くんの声が1番聞こえた。


わたしはギアをもっと上げて走った。


アンカーに渡す時には1位になった。


そのままアンカーの子が1位のままゴールした。


トラックの中にいる公平くんに声をかける。


「公平くん、1位取ってね?」


「まさかのアンカーだしなぁ〜〜頑張るよ」


そして、最後の男子のリレーが始まった。


でも公平くんはずっと下を向いてる。


もうすぐ公平くんのところに来るのに。


第3走者の先輩が「公平!!」


と大きな声をかけて公平くんは走り出した。


でも公平くんは途中でバトンを落としそのまま倒れてしまった。


先生が中止!と大きな声で言って途中で中止になった。



「公平!」


「山田!!」


相沢先生やほかの先生たちも公平くんに駆け寄る。


わたしもすぐに


「公平くん!」


すぐに公平くんの元に走った。


相沢先生が


「姫野、山田のことは俺たちに任せてトラックに戻れ」


「で、でも…」


「心配すんな」


そして公平くんは運ばれた。


しばらく先生が対応した後、男子のリレーがやり直しになった。



アンカーには紅組の組頭が走ることになった。



みんな応援するけど、わたしは応援する気になれない。


公平くんが心配でたまらない。


男子も1位になった。


全ての競技が終わって、閉会式をするだけ。


「美羽、大丈夫?」


玲那が心配そうな顔でわたしに話しかけてきた。



「公平くんが心配……」


「閉会式が終わったら、すぐに相沢の所に行きな」


「う、うん……」


そして、閉会式。


紅組は総合優勝、応援賞を取れた。


マスコット賞は黄組、看板賞は白組、ポスター賞は青組だった。


結果は嬉しいけど、もうそれどころじゃない…


しかも校長の話が長い。


閉会の言葉が言われて、紅組全員で写真撮影、その後2-3で撮影した。


その後すぐに



「相沢先生!公平くんは?」


「意識なくて病院に運ばれた。」


「え……」


「どこの病院ですか、わたし行きます。」


「姫野」


「はい?」


「明日行ったほうがいい」


「どういうことですか?」


「山田からなにも聞いてないのか?」


「なにをですか?」


「姫野は知るべきだな、ちょっと来い。」


わたしは数学準備室に連れて行かれた。
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