ホームズの子孫に嘘はつけない
依頼人は私
その日から、私のスマホにアーサーから監視しているようなメールが一日に何十件と届くようになった。

「今日も同居人とイチャついていたな!このアバズレ!」

「仕事するかイチャつくかどっちかにしろよ!」

「お前を見ていると殺したくなる」

最初は、「どうしてそんなことを送ってくるの?」と訊いた。でも、アーサーからの監視のメールは止まることがない。むしろ、言葉はエスカレートしていた。

そして、ここ数日では誰かの視線を感じるようになった。アーサーが今も見ている。そう思うと、怖くてたまらない。

買い物帰りに調査に出かけていたホームズさんとワトソン先生に会い、一緒に帰ることになった。

「和香、今日のご飯は何?」

ワトソン先生がニコニコしながら訊ねてくる。私は微笑み、「オムライスにするつもりです」と答えた。

「オムライス!やった〜!」

はしゃぐワトソン先生に、「君は食い意地だけは見事だな」とホームズさんが呆れながら言う。

「だっておいしいし」
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