あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
大きく深呼吸しながらそのフロアの扉を開ける。

目に飛び込んできたのはかなり大きなフロア。机が所狭しと並んでいて人がたくさんいる。皆忙しそうに動き回ったりパソコンに向かっていた。遠くの机の人なんて顔がよく見えないくらい広い。

この場所の一員になるのだと思うと嬉しい・・・。

私は近くの人に声をかけた。
「おはようございます。」
「おはようございます」
優しそうなきれいな女性。声をかけると笑顔で答えてくれた。
「すみません。今日からここに配属された須藤と申します。」
「・・・はぁ。」
きれいなお姉さんの表情が一変・・・。
めんどくさそうに立ち上がりその場から指さした。
「窓際の机の左から7番目に座ってる人。」
「え?」
「あの人に声かけて。課長だから。石崎さん。」
「あっ。ありがとうございます。」
私が頭を下げている最中にすでにその女性は再び椅子に座り仕事を始めていた。
< 14 / 494 >

この作品をシェア

pagetop