エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
絶頂からの転落
――宏希さんと付き合い始めたのは二年ほど前。

大手スポーツ用品メーカー『レーブダッシュ』の後継ぎである彼は、二十八歳にして営業統括部の主戦力として働いていた。

営業統括部は、国内の小売店を担当するリテール営業部、法人営業部、そして海外営業部をまとめる部門で、営業のなんでも屋と言ったところ。

総勢十名という少数精鋭のこの部署では、営業部門の意見をくみ上げて商品開発に反映させたり、はたまた有力なスポーツ選手とのスポンサー契約の折衝をしたりという仕事も請け負っている。

柔軟な対応と、新しいことへの挑戦ができる人材が求められる部署で、ここから声がかかると将来が約束されているとも聞く。


彼は親の七光りというわけではなくかなりの切れ者で、取締役就任も近いのではと噂されるような能力の持ち主だ。

しかも百八十センチを軽く超える身長に、少し茶色がかったサラサラの髪。
鼻はすらっと高く端正な顔立ちでもあることから、女子社員からの人気も高い。
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