夢の中の世界
カラーボール~珠サイド~
現在。


「俺が真弥にたのんでカラーボールを持って来させた」


貴央の言葉にあたしは目を見張った。


「どうして貴央が!?」


「勘違いすんなよ。俺はカラーボールを持って来させただけだ。車に向かってぶつけたりなんてしてないからな!」


貴央が慌てた様子でそう言った。


「じゃあどうして最初嘘をついたんだよ! お前が犯人だからだろ!」


カッとなった恵一が貴央の胸倉を掴む。


もう片方の手は握り拳が作られていた。


今にも殴り掛かりそうになったとき、真弥が恵一を止めに入った。


「本当に違うの! 午後から貴央に合った時、貴央はカラーボールを売った後だった!」


そう言った後、ハッとしたように息を飲む真弥。


視線が映ろに漂い、そして床へと注がれる。


「売った……? 売ったってなに!?」


あたしは真弥を見つめてそう聞いた。


「真弥、お前知ってたのか……」


貴央は恵一から離れ、唖然とした表情で呟く。
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