ねえ、理解不能【完】
不機嫌なきみ











「青―!千草くんもうきてるわよ-!」




朝、階段の下から突然聞こえてきたお母さんの大きな声。

人を待たせるなんて絶対ダメ!なお母さんは、結構本気で怒っている様子。



千草なんて遅れても謝れば全然許してくれると思うけど、なんてぼやいたら、ゲンコツされそうだから、はーい、と大きい声で返事しておいた。


といっても、まだ用意は途中なので、部屋を出るわけにはいかないんだけど。





「青ー?!はやくしなさいって!」





またすぐに聞こえた怒り声に、私はちょっとイラってきちゃう。

.......そんな秒で用意が終わると思ってるの?






「今、行くって言ってるじゃん!!」




今日は髪の毛をどうしてもツインテールにしたくて、鏡の前で朝から奮闘していたの。


だけど不器用な私は、なかなか左右同じ高さに結べなくて、いつの間にやらかなりの時間がたってしまったってわけだ。




ほんとうは、あと少しで上手く結べそうな気もするけれど。








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