続・闇色のシンデレラ
プロローグ
あるとき、あるところに、シンデレラに憧れるひとりの少女がいました。


意地悪な継母にこき使われ、わがままな姉妹に何もかも奪い尽くされ、自分の信じていた人々に裏切られる日々。


助けてくれるはずの王子様にも切り捨てられ、生きる希望を失っていました。


そんなとき、彼女が出会ったのは、最も深い闇を生きる冷酷な男。


東の狼、闇の帝王。



彼はひとりぼっちの少女に手を伸ばし、守ることを誓いました。



ところが、少女には大きな秘密がありました。


彼女は西を統括する先代皇帝の末裔、紛れもないプリンセスだったのです。



無慈悲な運命は、無情にも彼らを引き裂きます。


けれど帝王は彼女を諦めませんでした。


そうして数々の困難を乗り越え、ようやく2人は結ばれたのです。




やがて帝王は彼女に指輪を贈り、プロポーズをします。


それからのこと。


彼らは3月に婚姻を結び、婚礼を挙げました。




そしてたおやかに、4月を迎えた朝のことです。
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