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第5章 最後のレッスン
週末はひたすら、プレゼン用に資料をまとめていた。

「ううっ、熱出そう……」

いや、本当にあたまから湯気が出ていそうなくらい熱いんだけど……あれ?
なんだか、ぼーっとしてきた……。
うっ、昨日、髪も乾かさずに資料のまとめをやっていたのが祟ったか……。

「あ、ヤバ、い……」

意識が途切れそう。
誰かにヘルプ、と携帯を握る。
開いたトーク画面になんと打ち込んだかまで覚えていない。
意識の向こうで携帯の着信音が鳴りだしたが、いまは指一本動かしたくなかった。

――ピンポーン。

遠くで、インターホンの音がする。

――ピンポーン。

それはどうも、自分の部屋のようだ。
出なきゃ、と思うけれどあたまが重い。

――ピンポーン。
ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン!
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