秘密の出産をするはずが、エリート外科医に赤ちゃんごと包み愛されています
エピローグ

「杏奈」

耳元で甘く囁く声に、鼓動が一気に早くなった。

これまで数え切れないほど肌を重ねているというのに、宏太さんの仕草一つ一つに敏感で、まだまだ到底慣れそうもない。

激しい愛撫で一気に絶頂へと導かれ、思わずシーツに爪を立てる。

熱い吐息が漏れ、視界が潤む。宏太さんの腕の中にいるのが夢の中のよう。

「も、もう、だめです」

早く宏太さんの熱で貫いて。体の奥底がじんじん疼いて止まらない。

「あっ、ん」

甘く激しく貫かれた瞬間、思わず声が出た。

押し寄せる快感に頭が真っ白になり、宏太さんのことしか考えられなくなる。

そんな私を見て宏太さんが口角を持ち上げるのが気配でわかった。そこからは唇まで奪われて、さっき訪れたはずの絶頂が再びやってくる。

甘く痺れる快感と、体の奥深くから突き動かされる衝動。

本能で互いが互いを求め合い、今夜も淫らに肌を重ね合う。

「もう一度いいか?」

返事を聞く前に宏太さんは私にキスを落とし始める。

「あ、こ、宏太さん、ストップ」

「なんだ」

海奈(みな)が、泣いてます」

頭がまだぼんやりするけれど、なんとか起き上がろうとしてみせる。

しかし、足に力が入らない。

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