東京血風録3 キラーズ・コード【改編版】

忘却へ

摂津が腕を戻す。
漣左と目が合う。
視線が外れない。
と。
漣左が掌を前に出し、機先を制す。
「此奴めらはもう闘えまい。治療する時間をくれ」
漣左の申し出に、
「お主を斃せば済む話だ」
と摂津。
「手負いでか。舐めるでない。一対一でやる。儂とお主でだ。約束する。手当てする時間をくれ」
なんとも、身勝手な言い分だが、
「お主の得しか見えんが。面白い」
不承不承了解していた。

それから、王道漣左は3人の治療に入った。
鳳竜堂と龍王院と藤堂の。

摂津は、奈良鬼に声を掛けた。
「お主が、九月か」
「そうです。私が九月です。やっと、やっと巡り会えました」
念波で会話していた、九月と逢う事が出来た。安堵感に満ちた。


おかしな休戦である。
王道漣左と摂津秋房は、それぞれ負傷者の世話と手負いの疵を治す為、休戦宣誓したのだ。

2週間の猶予を設けた。
逃げる事も不意打ちもナシ。

場所は、王道漣左が指定した。


長野県◯◯村、と。






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