Alice in nightmare World
1章
私は部屋の壁にドアを想像した。

やり過ぎてしまった。気がついたらドアは4つも出てきてしまった。どのドアにしよう。
どれもシックでレトロな物だ。

私はひとつ目に止まった。端の扉だ。

端の扉。一番可愛いピンクのドアにしよう。そう決めて一気にドアを開けた。

そのピンクのドアとは似合わない暗い部屋についた。中世の城の一室のようだ。至る所に本が散らばっている。

帽子も沢山転がっている。よく見るとサイズも色もバラバラだ。ここはなんの部屋だろう。ここはいつの記憶だろう。分からない。思い出せない。

ここは記憶なのか私の想像の産物なのかすら思い出せないでいた。目を凝らすと奥に人影が見える。全く動かない。それは本当に人だろうか部屋はロウソクの明かりだけで薄暗い。それは寝ているのか起きているのかも分からない。

少しづつ近づいてみることにした。

「あの、すいません」

反応がない。

「あの、すいません」

大きな帽子をかぶった男が椅子を深く座り寝ている。

「あの、すいません」

「ん?」

男は目を覚ましたが眠そうにしている。

「あの、すいません、出口はどこですか?」

「なんだいアリスここには出口なんてないよ」
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