強引な彼と恋のマジックドライビング

条件なんて必要ない

***
蓮司の結婚式から3年、気がつけば30歳になっていた。

父が仕事にもどってきたのは事故から半年後、リハビリをしながら気晴らしにお店でくつろぐ父のは話し相手となってくれたのは新田さんだった。

3年前のあの夜以来、私は彼のお店には行っていない。

そんな私に彼は口を尖らせ

「朝陽ちゃんが来ないなら俺が毎日通うから」

そう宣言して毎日仕事前に顔を出していく。
もはや彼は店の常連客だ。

そして彼のお店の定休日、お昼近くに彼の作った料理を手にして訪れるのだ。

私の好きなものをたくさんタッパーに詰めて。
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