ウチの塩が切れました。




ウチのクラスの塩崎(しおざき)くんは、どうやらクールだと言われているらしい。



でも、それは私には関係ない話だ。
だって───



莉心(りこ)、どこ行くの」


「えっ!?ちょっと飲み物買いに……」


「俺も行く」


「えっ、」



そう言って、私と同じタイミングで席を立ったのが、紛れもない塩崎くん。

この行動からもわかるように、彼はとんでもなく過保護だ。



「……ねえ、行かないの?」


「……や、行く、けど……、」



塩崎くんは気付いてないの?

周りからすっごく見られてるよ?



「けど?」


「うん……えっと……、……や、なんでもない」


「なにそのあからさまな嘘」



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