ノクターン

翌日は、待ち合せて帰り 途中スーパーで材料を買って寄せ鍋を作った。

木曜日は 外で食事をして、その後の時間を アパートで過ごした。

金曜日、ゴルフのレッスンが終わる時間に 智くんが練習場まで迎えにきてくれた。
 


私は今まで 誰かに頼ったり、甘えたりすることがなかった。

それは相手に迷惑がかかることだと思っていたから。



なんて傲慢だったのだろう。

相手の好意を受ける責任を 逃れていただけだった。
 

私が、智くんのために何かをして 智くんがそれを喜んでくれた時、私は受け入れられた喜びを感じた。

だから私も、智くんの好意を喜んで受けた。


大切にされることの幸せを感じた。


そして 誰かに大切にされるということは、誰かを大切にすることだと知った。
 
 
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