ノクターン
「ご無沙汰しています。廣澤です。」
智くんは、部屋に入ると中に居た父に挨拶をする。
「あの智くん?本当だ。面影がある。」
父も驚いて 不躾に智くんを見る。
「ちょっと、麻有ちゃん。ちゃんと説明してよ。」
母は、お茶を入れながら まだ興奮が治まらない様子で。
私は、職場で偶然 智くんと再会した事、
そこから 付き合いが始まった事、
二人が結婚の意思を固めた事、
智くんのご両親にも承諾を頂いた事を
順を追って説明した。
「へえ」とか、「まさか」とか言って、両親は私の話しを聞いていた。