続・隣人はクールな同期でした。

*煌月の当惑


―――――
――


雲一つない青空が広がる日曜日。


「―――はぁ…。」


こんな晴れた空を見上げたが
俺の気分は晴れ晴れとする事もなく
マンションのベランダで煙草を吸いながら
憂鬱な気分で煙と一緒に溜息を吐き出している。

付き合っているセツナは今日
仕事の取材のため休日出勤。

休みの俺は
代わりに掃除やら洗濯やらを済ませ
ベランダで一服。


何気なく考えてしまった、マリカさんの事。

隣に引っ越してきた彼女の登場に
俺は愕然とした。


大学時代に所属していた
バスケのサークル仲間で2歳上の先輩。

後輩思いの優しい人で
綺麗な容姿も併せ学校で人気があったのを覚えている。


当時、サークル活動以外で
メンバーで集まるイベントごとが好きじゃなかった俺を
いつも連れ出して
まわりとの関わりを増やしてくれた。


普段はしっかりしているのに
たまに少し子供みたいなところがあって。

そんなところが放っておけなくて
気になり、意識していたときもあったな―――


「って、思い出してどうする」


思い馳せてる自分が
急に恥ずかしくなった。
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