それから、しばらく、私は、絢斗のおかげで、幸せを感じながら、コンシェルジュという仕事に打ち込めた。


ある日、私は、仕事の帰りに萌佳を見た。


『…萌佳?』


少し酔った様子で、横に、見た事がない中年の男性が立っていた。


小太りで、髪もかなり薄く、明らかに萌佳とは似合っていない。


とても心配になり、私は、思わず声をかけた。


『萌佳、何してるの?』


私に気づいた萌佳。


『…一花』


『今日、休みだよね?こんなところで何してるの?』


『何だっていいじゃない。飲んでたら、このオジサンに声をかけられたから、今からホテルに行くの、なんか悪い?』


私は、全身から血の気が引いた。


『萌佳、自分が何言ってるかわかってるの?』


『止めてよ、そんな正義感ふりかざすの』


『正義感なんかじゃない。萌佳がそんなことしてるのが、友達として悲しいだけ』


紛れもなく本心だった。