俺はただ咲綾を抱きしめた。

どこから何を話して、縺れてしまった糸をどうほどくべきか。
そんなことを考えるも、おもいきり抱きしめた咲綾は、細くて儚くて、ずっと触れたくてしかたなかったその体温をただ感じた。

咲綾から零れ落ちる悲しみや、憎しみをすべてを受け止めるように強く強く抱きしめる。咲綾の嗚咽だけが部屋へと響いていた。