どれぐらい時間がたったのだろう。
あんなにひどい言葉を言ってもこの腕の中は安心してしまう。
ようやく少し落ち着きを取り戻し、私は今の状況にハッとする。
どうして今こうして抱きしめていられるのかもわからない。
真由が自分の子供だと、いきなり子供がいたと聞かされ真翔さんはどんな気持ちなのか。

こんな風に伝えるつもりがなかった私は、急激に不安に追い込まれていく。
真由の為にも、これからどんなことがあろうとも、もし話すならばきちんと、段階を経て話すべきだったのに。
あんな感情的に気持ちをぶつけてしまうなど、あってはいけないことだった。

そんな自分が嫌で、自己嫌悪を感じていると不意に緩んだ手に、私はビクッと肩を揺らした。

「咲綾」
静かに呼ばれたその声に、私は返事もできず動きを止めた。