あの滑走路の向こう側へ✈︎✈︎✈︎

二十三、弟の婚約者




ケーキ教室を主宰している路子の
料理は美味しく、和やかな時間が過ぎた。

エマは元々、崇の友達だったが、
紹介された翔が一目惚れ。
その頃、翔はアメリカに住んでいたが、
エマがアメリカの音楽院へ留学する事になり、
翔の網アタックで付き合う事になったようだ。

現在、翔とエマはアメリカに住んでいる。

そして、崇の前勤めていた音楽関係の出版社が
携わる仕事の為、エマは来日していた。

崇がエマに頬を寄せていたのは、
ただの未来の家族への挨拶に過ぎなかった。

帰りがけ、エマは玲奈にも
頬を寄せて、お別れの挨拶をした。


普段はバスで向かう駅までの道、
玲奈と崇は歩いていた。

「エマさん、ほっぺにチュッチュするから
 ビックリした」

「ああ、ビズね。音鳴らしてるだけだよ。
 フランスでは一般的な挨拶だよ」

「そうなんだね、恋人同士とかじゃなくても
 するもんなんだ?」

「あぁ、全然恋人じゃなくても、
 初対面の男女でもするよ」

「へー、初対面でも!それは友達ならするよね」

ハハっと玲奈は笑った。

「あ、この公園!よく来たよねぇ?」

「そうだね、ブランコとかして遊んだね」

2人は並んでブランコに座った。

「靴投げとかしたよね、明日の天気とかって」



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