エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

 婚約者として、これからどんなふうに関係を縮めていけばいいのだろうと、ふたりで真面目に話し合っている最中、彼がふと言ったのだ。

『毎日でなくていいが、余裕のある日はモーニングコールをしてもらえないか? 普段、起きるべき時間の一時間前から目覚ましを五分おきに鳴らしていて、なんとか起きることはできるんだが、その音が不快で仕方ないんだ』

 朝、不機嫌そうな彼がベッドからニュッと手を伸ばして目覚ましを止め、再び布団にくるまる様子を想像して、私はちょっと笑ってしまった。

 それに気づいた彼が、照れくさそうに呟いた。

『こんなこと、浅見以外に頼めないからな』

 なにげないひと言だったけれど、特別扱いに胸が弾んだ。

 気合を入れすぎた私は、頼まれた八時より二時間も前に目が覚め、スマホをテーブルに置き、その前に体育座りをしてずっとスタンバっていた。

 そのせいか、緊張の解けた今になってちょっと眠たい。

 ……でも、彼のためになにか話題を提供しなくちゃ。

「津雲さん、朝食はご飯派ですか? パン派ですか?」

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