狼の愛したお姫様
悲憤慷慨


“俺のもう一つの隠し事は───”


もう一つの隠し事を私に伝えたあと、怜は言った。



「一日だけ時間をやる」と。



私が逃げるなんて微塵も思ってないらしい。

ネックレスもちぎられて、携帯も持っていない。

GPSもついてないから、私がどこにいるのかさえわからないのに一日の猶予を与えた。





「どうすればいいの…?」



足に上手く力が入らない。

殴られた所もまだ痛む。



…こんな格好で遥達のところに行けば、心配かけちゃうよね。




< 159 / 213 >

この作品をシェア

pagetop