「日葵さん、自宅分娩になったなんて。やっぱり海外視察は取り止めておくべきだったわ」

美暖が生まれてから3日後のある日。

真島家(旧:蒼井家)を訪れたのは陽生と勇気の両親である真島真佐子と孝明夫妻だ。

「それで日葵さんの体は大丈夫なの?心配で心配で眠れなかったわ。あら・・・まあ!この子が美暖ちゃんなのね?なんて可愛いのかしら・・・!」

うっとりと日葵に抱かれる美暖を見つめる美佐子。

「うむ・・・。本当に可愛らしい。さすが日葵さんの血を引いているだけあるな」

森のプーさんのように暖かな笑みを浮かべて、美暖を覗き込む孝明。

訪問早々、孫バカ炸裂の義父母に、日葵は微笑みをたたえながら頷いた。

「私はすっかり元気です。お義母様?来られたばかりなのに不躾ですが、早速、美暖を抱いて頂けませんか?」

自身も娘を産むことを渇望していたが、その夢を果たすことが出来なかった義母。

代わりに垂れ耳兎の毬ちゃんを娘と思って溺愛して過ごしていた。

陽生の結婚を機に、理想の娘に近い日葵を嫁にもらい可愛がってきたとはいえ、

美佐子にも゛孫娘育て゛という絶好のチャンスが訪れたのだ。

美佐子が女の赤ちゃんを抱くことを躊躇うはずはないと知ってはいるが、遠慮がちにお願いした方が手を出しやすいかな、との日葵の気遣いであった。