翌日。

今度は日葵の両親と祖父母がやって来た。

隣県に住む日葵の両親は、日葵の母である夏子の両親、いわゆる日葵の母方の祖父母:冬彦と日南子と同居している。

日南子の認知症が悪化し始めたための同居だったが、約一年ほど前に、日葵が陽生を連れて祖父母を訪れた後から、

日南子は昔、夫と経営していたレストランのレシピを再度紐解いてみたり、夫の煎れるコーヒーをおやつの時間に満喫するなどして過ごし、症状を緩和させてきていたのだ。

頑なに飲もうとしなかった認知症の薬を飲み始めたのも功を奏したのかもしれない。

物忘れを嘆き、少し鬱状態になっていた日南子。

陽生にフレンチトーストと得意の料理を誉められ、生きる意欲が戻ってきたのだろうと、日葵の母:夏子は言った。

『なんせ、陽生さん、おばあちゃんが昔憧れていた銀幕のスターにそっくりなんだって。おじいちゃんには悪いけど、まるでアイドルを追っかける女子高生みたいにときめいてたわよ』

80代の祖母をもメロメロにさせる・・・陽生のイケメンパワー恐るべし・・・ではなくて、感謝の一言である。