玲音の話によると・・・。

玲音は掃除を終えて校長室に向かった。

校長室の入り口をノックする。

「はい、どうぞ」

恵比寿顔の校長先生は、生徒がノックをしたタイミングと校長先生の都合が合えば生徒にも自由に校長室への出入りを許可している。

「これはこれは花菱くん。どうかしたかな?」

学年でもトップの成績を誇る玲音は、先生方からの信頼も厚い。

そんな玲音が突然、校長室に来たとしても訝しがられることは皆無と思われた。

「実は先生に見ていただきたいものがありまして」

「何だね?」

「それは実際に見ていただかないと・・・」

言葉を濁し、目線を俯かせる玲音に、校長先生は何か不穏なものを感じたらしい。

「急ぐのかね?」

「はい。でも、さほどお手間はとらせませんので」

玲音の言葉に、校長先生は頷いて立ち上がった。

ここまでは、玲音の計画通りである。