一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
番外編:ふたりきりの時間


実花子を喜ばせること。それはなによりも自分の使命だと、拓海は感じている。

入籍を済ませ、一緒に暮らすようになって三ヶ月。拓海は毎日、今日はどうやって実花子を笑顔にしようかと考えるのがたまらなく楽しい。

仕事を終えて帰宅した拓海はシャインマスカットを入れた箱を提げたまま、キッチンに立つ実花子をうしろから片手で抱きしめた。


「ただいま、実花子」


足音を忍ばせて近づいたため、彼女の肩がぴくんと跳ねる。


「やだ、拓海さん、驚かさないで」


驚いた実花子はほんのすこし唇を尖らせながら振り返った。
その突き出た唇に、拓海は遠慮なく自分の唇を重ねる。そのまま味わい尽くしたくなるくらいにやわらかい。


「ただいま」


唇を離してもう一度言うと、実花子は「おかえりなさい」と微笑んだ。


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