異世界もふもふ保育園へようこそ!


 ここは草食の羊さんの村だったはず。

 なぜ、ここにライオンや豹といったネコ科の肉食獣がいらっしゃるの!!

 た、食べられる?!

 私は大慌てでミーナさん、カロンくんメロウちゃんを呼ぶ。

 「みんな、早く村に逃げて! 私を置いて行って! 早く!」

 そう叫ぶ私に、先を見据えてミーナさんはせっついてたカロンくんとメロウちゃんを前に止まってしまう。

 あぁ、このままじゃ大変なことに! と私自身も逃げなきゃなのに動けにままでいると私を見つけたメロウちゃんが駆け寄ってきた。
 その顔に恐怖がないのがびっくりなのだが、話を聞いて判明した。

 「あれ? ハルナ先生聞いてなかったっけ? あのね、王様の気配がしたからお迎えに行ったんだよ」

 えっへんと自慢げな表情のメロウちゃんに、カロンくんが言う。

 「住み分けられてるけど、この世界アルアローザの王様はライオンのダムド様だよ」

 なんと、王様いたんですか? しかもその王様こんなにあっさり草原歩いてきます? もう訳が分からないが、とりあえず食べられちゃう心配は回避されたらしい……。

 「おぉ。この子が落ち人か。面白い試みをしていると聞いて会いに来たぞ!」
 
 ダンディなライオンの王様ダムド様。見た目は思いっきりライオンチックな鬣風のふさふさの髪をなびかせてご登場。

 王様、フットワーク軽くないですか? そう思うのは私だけですか?

 とりあえず、なんか予告もなくこの国の偉い人に会ってしまいました。
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