美砂となじみのサロンで落ち合い、さっそくコーディネーターさんにドレスルームへ連れていってもらった。
新作だという色とりどりのフォーマルドレスがハンガーでズラッと並べられ、美砂は後はふたりで選ぶからと会釈した。

「パパ、きっとパーティーで私たちのフィアンセをお披露目するつもりよね」

ドレスを一着ずつ確認しながら、美砂はつぶやいた。

「そう思う。透さんのご家族まで招待してあるみたいだし、盛大になりそう……」

父の破天荒な思いつきにこちらはげっそりしているのに、「皆さんも来るの?」と楽しげな美砂。本当に似た親子だ。

しかし美砂は突然手を止め、ドレスを戻した。

「本当に決まっちゃうんだね、私たちの結婚」

え? 彼女らしくない切ない声に、私も手を止めた。

「……お姉ちゃん?」

「沙穂ちゃんはいいよね。お見合いとはいえ、あんなに愛してくれる透くんが相手なんだもの。透くんてば沙穂ちゃんとのお見合いを薦めたときすごく乗り気だったんだから」

え。どういう意味? 美砂は違うの?

「美砂、池畠さんが嫌なの?」