酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
甘酸っぱいドリーム!?
「おはようございます。」

朝オフィスに立ち寄り、一通り打ち合わせを済ませ、佐伯さんがいる控室へ。

「おはよう、まつり。」

さわやか...。

あらためて...声が良すぎる。

やっぱり声優さんだからな...。

それにしたって...。

朝から幸せ...。

「あの、今日のスケジュールは...。」

...全部知ってるアニメの収録...。

ここからあのキャラが...作られてるんだ...。

えっと...。

私は何をすれば...。

前までは指示があったけど、ここに来てからわざわざ指示をだしてくれる人がいないから...。

「たぶん1時間くらいは暇だな。そのあとも午後までスタジオ空かないみたいだから。」

「なんか...すみません...。早めに来ていただいて...。」

「いいよ。どうせ家にいてもなにもしないし。まつりとゆっくり話ができるだろ?」

「私と...ですか?」

「ん。昨日まつりのことも教えてくれるって約束しただろ?」

「え...っと...。」

「家からここまでどれくらいかかるの?」

「電車で1時間弱くらいです。」

「まあまあ遠いな。俺は近いよ。家から歩いてこれるから。」

「歩いてくるんですか?」

「うん。」

注目されるし、逆ナンの格好の的じゃない...?

いや、逆に恐れ多すぎてできないか...。

「実家から来てるの?」

「はい。」

「そうだよな。まだ1人暮らしは危ないしな。」

「佐伯さんは...1人暮らしですか?」

「そうだよ。場所教えようか?」

「あ、いえ...。そんなお気遣いいただいてどうも...。」

やばい...即答で教えてください!
っていうところだった...。

でも、マネージャーとしては知っていても不自然ではないのかな...。

何かあって電話で連絡取れなかったらとかあるかもしれないし...。

まあ、そのときは事務所を通してきけばいいかな。

「まつりは何か趣味とかある?」

「え、えっと...読書ですかね...?」

「へぇ。どういう本読むの?」

「えっと...色々...、
恋愛とか...。」

...とっさに嘘をついちゃった...。

「なるほど。俺も何か読んでみようかな。」

「はい...。」

「ちなみにだけど、アニメとかは見る?」

「あ...はい...少しは...。」

少しどころか毎日大量に見てます...。

「俺、実際こういう仕事してるけど、ちゃんとできてるかどうかとか実際には分からないから。一般の人からは俺の仕事ってどういう風に評価されてるのか気になって。」

大丈夫です!

これ以上ないってくらい最高すぎるんで!!

...とも面と向かっては言えず...。

「それに、普通に見てもアニメは面白いからね。もし時間あったら見てみて感想とかきかせてくれると嬉しいな。」

「はい...。」
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