最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~
初々しくも蜜な五カ月

妊娠してからというもの、旦那様は別人のように優しい。

離婚話を切り出したあとから変わったのは明らかだったが、最近は特に過保護というか、私を大切に扱ってくれているのがわかる。

好きな人と毎日触れ合えて、その人の赤ちゃんを授かっているなんて、こんなに幸せでいいんだろうかと心配になるくらいだ。

とはいえ、つわり真っ只中の時期はめげそうになった。吐くことはあまりなかったからいいほうだと思うけれど、しょっちゅう車酔いのような状態を味わうのはつらすぎる。

仕事中は、慧さんはもちろん、麻那や高海が気遣ってくれてかなり助けられた。優しい人たちに囲まれていることも、本当に幸せだと思う。

そのつわりも四カ月を過ぎてから徐々に軽くなり、五カ月に入った今はすっかりなくなった。

会社では重要な人にだけ報告したが、おそらく気づいている人もちらほらいるはず。無事に安定期に入ったから、噂が広まっても多少心穏やかにいられそうだ。
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