ゼツボウカクレンボ

憎いあいつ

「おはよう!涼音《すずね》」

「おはよう由紀《ゆき》ちゃん!」

私は学校では普通の子でいたい。

だから,私は今日も笑うのだ。

例え,憎い君を目の前にしても。

「おはよう。2人とも」

「おはよう!錫斗《すずと》君」

錫斗…!!

「お,おは,よう…」

私はかろうじて挨拶をすることができた。

なんで私を前にしても,この人は飄々としていられるわけ?

自然な彼の姿に苛つきを覚える。
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