犠牲者はチャイムと共に。〜7日間の命〜

1日目。

1日目。

残り33名。



夏休みが終わり、今日から2学期が始まる。

エアコンのない教室。

人口密度が高くて、サウナ状態。

蒸し暑さで、体がベタベタする。

制服が体に張り付いて気持ち悪い。



「早く夏なんて終わればいいのに」



暑さへの苛立ちを隠しきれていないのは、滝沢 美琴。

私たちグループのリーダ的存在だ。

美琴は根っからのお嬢様。

敵にまわしたら何をされるか分からない。



「……ジュース、買ってこようか?」



私が聞くと、美琴は口角を上げる。



「あ、そう? オレンジ、よろしくねーっ」



美琴のご機嫌取り。

私は自分の財布を鞄から取り出す。



「行ってくるね」



そう行って、自販機へ向かおうとしたとき。

タイミングが良いのか悪いのか、担任の吉野先生が教室に入ってきた。



「ホームルーム始めるから、席に着け」

「チッ、」



大きく舌打ちをする美琴。



「あ、あとで買ってくるね」



そう言って、私は自分の席に戻った。


……美琴の相手をしていると疲れる。

心の中で大きなため息をついた。
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